2024.03.01
梱包梱包用テープとは?―どのテープを選べばよいのか―
梱包用テープとは、包装・梱包に使用される粘着テープ(片面または両面に粘着剤が付いているテープ)のことです。
主にクラフトテープ、OPPテープ、布テープを指し、包装用テープとも呼ばれます。
梱包用テープは段ボール箱の封緘や商品の固定などに使われ、荷物や商品を発送する際に不可欠です。
粘着テープは用途によりさまざまな種類があります。そのなかでも梱包用テープは種類やサイズが多いため、使用目的に応じたものを選択することが重要となります。
もくじ
粘着テープの構造
テープは帯状の材料を指す言葉です。
工芸品や装飾に使われるテープ(リボン)など、粘着剤を使用しないものもありますが、テープと呼ばれるものの多くは粘着テープを指します。
粘着テープとはテープ(基材)の片面もしくは両面に粘着剤を塗布しているものです。
粘着テープはその形状から多くは紙管に巻かれた状態で提供されます。
片面に粘着剤を塗布した状態で巻くために、接着面の反対面には剥離剤を塗布して使用時にはがれるようにしています。
接着するもの(材質や形状)により使われるテープの材質(基材)や粘着剤も変わってきます。
両面テープの場合は基材の両面に粘着剤を塗布していますので、剥離紙をはさむ構造が一般的です。
用途による粘着テープの種類
粘着テープはその用途によって様々な名称で呼ばれます。
梱包用テープ以外の主なものをご紹介します。
・結束テープ
商品をある単位にまとめるため使用される。(梱包用テープと似た使用方法)
・工業用テープ
工業製品の部材・部品等の固定に使用。用途により多くの種類がある。
・保護(養生)テープ
製品や建築物の保護、養生に使用。糊の残らないクロス系のテープを用いる。
・絶縁テープ
電線・ケーブルの絶縁
・マスキングテープ
塗装する際、塗料がかからないようにマスクするために使用
・医療用テープ
包帯の固定、注射針の固定、皮膚への貼り付けなど、医療用途で使用されるテープ
・ラインテープ
床や道路にガイド線や標識として貼られる
・トラテープ
危険箇所や侵入禁止の表示のために使用される黒と黄色の縞のテープ
梱包用テープの種類
梱包用テープは、種類の多くがその基材(材質)の名称そのままにテープの名称になっています。
よく使われているものにはクラフトテープ、OPPテープ、布(クロス)テープの三種で、それぞれに特徴があります。
どの梱包用テープも段ボール等に一回貼った場合、剥がしての再利用はできません。
粘着面に紙の表層に張り付き粘着力が落ちるためです。
・クラフトテープ
梱包用テープとして広く流通している基材が紙(クラフト紙)のテープです。
中・重梱包用テープ。手でちぎれますが、まっすぐ切りたい場合はテープカッターなどを使用します。
剥離層がツルツルしているためマジック等で文字は書けず、重ね張り不可です。
また、段ボールを積み重ねた場合滑りやすくなり、テープの上にラベルなど直貼りしても剥がれやすいといったデメリット面があります。
ただ、これらの弱点を改善したノンスリップタイプの商品もあります。
基材に白い紙を用いた白テープや、基材にベタ印刷を施したカラーテープなどバリエーションも豊富です。
・OPPテープ
基材が二軸延伸ポリプロピレン(OPP)というプラスチックを使用したテープ。
中・重量梱包用でクラフトテープの代替品になります。テープの上から文字が書け、重ね張りも可能です。
テープ色は一般的に透明ですが段ボール色に着色しているものもあります。カラーバリエーションは少ないです。
OPPテープの一番のメリットは価格が安いことで、基材が薄いですが丈夫で強度もあります。
デメリットとしては手切れ性が悪く、ヘルパーと呼ばれるテープカッターと必要なります。
クラフトテープも数多く梱包する現場ではヘルパーや包装機械(封緘機)を使用しますので一概に作業性が悪いとはいえませんが、少量の梱包ではクラフトテープの方が手軽に使用できるかもしれません。
OPP素材で手切れ性を付加した商品もあります。また、独特の臭いがする商品もあるのでユーザーによっては避けられる場合があります。
・布(クロス)テープ
基材が繊維でクラフトテープより厚く、重量梱包に向いています。
基材もスフモフをはじめ複数の種類があり、比較的薄いタイプもあります。
手切れ性は良く、器具を使わなくても繊維に沿ってまっすぐに切れるため見た目も良く利便性があります。
デメリットは他のテープに比べ割高である点です。
梱包・包装に使用されるテープは他にもあります。
・ガムテープ
基材はクラフト紙ですが、切手のように塗布された糊に水をつけることで接着するテープです。乾いた状態では接着力はありません。
剥離加工をしていないため安価で環境負荷が低いことがメリットです。
クラフトテープが普及する前は広く使われていました。近年、通販大手のアマゾンが採用し注目されている資材です。
一度水で濡らす必要があり他の粘着テープに比べ簡便さに欠けることがデメリットです。
水をつけて規定の長さでカットするディスペンサーという機械があります。
クラフトテープや布テープなど梱包用テープ類を「ガムテープ」「ガムテ」いう場合がありますが、厳密に言えば、この水をつけるタイプのテープが「ガムテープ」です。
・セロハンテープ
セロハン(セロファン)という透明な薄く柔らかい素材を基材とするテープです。
梱包用テープというより、細い巾のものが軽包装や事務用として使用されています。卓上のテープカッターを使用することが多いと思います。
セロハンはプラスチック素材と思われがちですが、パルプ(セルロース)を原料としている紙の一種です。
セロテープと呼ばれる場合もありますが、セロテープは商品名なので特定のメーカーのみ使用しています。(ニチバン・セキスイ)
近年OPP素材で細巾のセロハンテープ代用品もあります。
梱包用テープのサイズ
梱包用テープのサイズは巾×巻メーター数で表示されています。
例えば巾50mmで50m巻の場合、50×50と表記されます。
テープ巾については、50mm巾が一般的ですが、品番によっては25mm、38mm、60mm、75mm、100mmと品揃えしているものもあります。
巻メーター数に関しては基材の厚みによって変わってきます。
同じ直径でも薄い基材を用いたテープは長く巻け、厚い基材のものは短くなります。
クラフトテープ・クロステープは50m巻、OPPテープは100m巻が一般的で、厚い布テープは25m巻になるものもあります。巻が長ければ貼れる箱数も多くなります。
コストを検討する場合、1巻あたりの価格でなくm(メートル)当たりの単価で比較することが必要です。
また、箱単位で購入する場合も品番(巻メーター)・巾によって入数が違ってきますので注意してください。
自動封緘機で使用する場合などは50m巻では数十ケースごとにテープを掛替えしなくてはならないため長尺(500m巻、1000m巻)の商品も用意されています。
テープによる封緘の仕方
・I貼り
テープを用いてA式ダンボール箱を封緘する場合、通常は図のようになります。
・H貼り
内容品が重くI貼りでは底抜けしてしまう(内容品破損)のリスクがある場合、また内容品が外気に触れることを嫌う場合このような形で封緘します。
使用する粘着テープの量も増え、作業時間もかかります。H貼りが可能な封緘機もあります。
・十字貼り
底抜け防止のため簡易的に用いられます。
まとめ
これまで述べてきましたが、梱包用テープには様々な種類があります。
大きな特徴としては基材の違い、テープ巾の違いですが、同じメーカーのOPPテープでも複数の厚みや粘着剤の違いで複数の商品がある場合もあります。
梱包用テープは基材(テープの素材)が厚ければ厚いほど強度が上がり、使いやすくなります。強度分のコストがかかるため高価になります。
テープの価格を安く抑えても作業性が悪く、作業時間が増えれば人件費は上がります。
大量に封緘する現場では、封緘機等自動化の投資をしても人件費削減効果の方が大きい場合もあります。
また、今回触れませんでしたが粘着剤の種類によっても気温の影響を受けにくいもの、剥がした際に糊が残りづらいものなど特性があります。
梱包用テープの選定は、価格だけでなく目的や用途に合ったもの、作業性を含めたコストを考えて選定することが重要です。
イクソブ株式会社は多くの現場を見てきています。
梱包用テープはもちろんヘルパーから作業に合わせた省力化機械などもご提案できます。ぜひお声掛けください。